その優しさ、身体が無理してない? 〜“良いギバー”と“都合のいい人”を分ける身体のサイン〜

頼まれた瞬間、少し間があったのに「大丈夫です」と、つい言ってしまう。
本当は少し疲れている。でも、「期待に応えたい」気持ちが先に動く。
そして、自分の本音は後ろに下がっていく。そのあと、

・呼吸が浅くなる
・肩が少し重い
・胸の奥が、なんとなく詰まる
・無意識に奥歯を噛みしめている
・気づくと、息を止めたまま返事をしている

といった身体のサインが出ているにも関わらず、多くの人はそのまま進みます。

「これくらい普通」
「みんな頑張ってるし」

そう思いながら、身体で感じていることをスルーして動いてしまう。
私はこれを、長い間繰り返してきました。


組織心理学者アダム・グラントは著書『GIVE & TAKE』の中で、

“ギバー(与える人)”は、成功者の上位にも下位にも現れる

と述べています。
つまり、

  • 与えながら信頼され、成功する人
  • 与えすぎて疲弊し、消耗していく人

その両方に、“優しい人”がいると言っています。
この話を初めて知ったとき、私は強い違和感がありました。

「与えることは良いことなのに、なんで壊れる人がいるんだろう?」

その答えを探し続けて、今、はっきり分かることがあります。

その違いは、“身体の使い方”です。

実は私は、子どもの頃からずっとこう言われてきました。

「脱力して」

日本舞踊でも、演技のレッスンでも、先生たちはいつも同じことを言っていました。
でも、私はその意味が分からなかった。

「どうやったら力って抜けるんですか?」

そう聞いては先生を困らせていました。
実は子どもだった当時から、首や肩はいつもガチガチに凝っていました。そして大人になってからも、

舞台本番
大きな仕事
人生のチャンス

「ここで、なんとしても結果を出したい!」
「結果を出せば、認めてもらえる気がしていた…」

そんな、ここぞ!というタイミングに限って、そう思えば思うほど、身体が壊れていきました。

・急な発熱
・頭痛
・首と肩の硬直
・背中や腰まで痛くなり、最後には起き上がれなくなる。

まるで身体が、「もう無理」と強制終了させていたようでした。
でも当時の私は、それに気づいていませんでした。

「やり切ること」と「力むこと」を、完全に混同していたからです。
意識では、

「期待に応えたい」
「ちゃんとやりたい」

そう思っている(今なら分かりますが、私はいつも“相手にどう見られるか”に意識を使っていました)。
でも身体は、

「怖い」
「失敗したくない」
「嫌われたくない」

と、気を抜くことができず、ずっと緊張している。

この“心と身体の不一致”こそが、私を消耗させていた正体でした。
そしてこれは、ギバーにもまったく同じことが起きています。

もし今、「なんかしんどい」そう感じるなら、一度だけ身体を確認してみてください。

ここで、少しだけチェックしてみてください

□ YES / NO チェック

  • 頼まれると断りづらい
  • 「大丈夫です」が口ぐせになっている
  • 人と会ったあと、どっと疲れる
  • 呼吸が浅いと感じることがある
  • 肩や首がいつも固い
  • 相手のことを優先すると、自分の感覚が分からなくなる
  • 「嫌われたくない」がどこかにある

3つ以上当てはまった方へ。

もしかすると今、 “無理して与えている状態”に入っているかもしれません。
でも安心してください。これは性格ではなく、 “身体の状態”です。

“良いギバー”と“都合のいい人”の違い

良いギバー

  • 自分の感覚を感じながら与える
  • 呼吸が深い
  • 境界線をキープできる(いい距離感)
  • 与えても回復できる

都合のいい人

  • 自分を後回しにしても与える
  • 呼吸が止まる
  • 軸が相手中心になる
  • 与えるほど擦り切れていく

つまり、 “自分と繋がったまま与えているか”どうか、ここが決定的な分岐点なのです。

30秒だけ、身体に戻ってみる

今、一度だけ深く息を吐いてみてください。そのとき、

肩は少し下がりますか?
お腹は固まっていませんか?

ちゃんと吸おうとしなくて大丈夫です。まずは、 “吐くこと”だけ意識してみてください。
すると少しずつ、

視野が広がり、
身体の力みが抜け、
「自分」が戻ってきます。

境界線とは、頭で引くものではありません。身体が出している

「ちょっと苦しい」
「少し無理している」

という微細なサインに気づくことです。

もし今、頑張るほど苦しくなるなら、それは能力の問題ではありません。
“身体のOS”が、少しだけズレているだけです。
あなたはすでに、ギバーです。だから変える必要があるのは、優しさではなく、 “身体の使い方”です。

現在私は、「話し方」ではなく「伝わる状態」をテーマに、身体の使い方を体系化した書籍を執筆しています。
頑張るほど空回りしてしまう人が、“無理しないのに伝わる状態”へ戻るための本です。

公開情報は、今後こちらでも発信していきます。
このテーマが必要な方に届いたら嬉しいです。

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